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- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2003/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容としては北森鴻が得意とする美味しそうな料理の描写に始まり,京都が舞台である意味を存分に生かしている。ただ仕方がないことなのだが登場人物の台詞の殆どが京都弁なのにはちょっと苦手感を抱いてしまった。決して京言葉は嫌いでない,というよりむしろ好きな部類ではあるのだが文章として読むにはやはり辛い。あと京都の地図が欲しかったなというのも本音のところ。従姉妹が住んでいる関係で京都の地理に多少は明るいとはいえ,それでも部外者ではよく分からない場所も多かった。
悪くはないけど,北森鴻の作品としては多少物足りなさも感じる。逆に言えば,この作者に期待している水準が高すぎるだけで,存分に楽しむことが出来た作品ではある。作者も楽しんで書いているのがよく分かるし,まあこれはこれでありなのかな,と。ただ作中に登場するバカミス作家水森堅はあんまりだろう。なんといっても代表作が『鼻の下伸ばして春ムンムン』*1なんだもの。