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- 作者: 若竹七海
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/06/10
- メディア: 文庫
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葉村晶を主人公とする連作短編集の第2作目。相変わらず小気味いいほどにシニカルな葉村の姿が魅力的。若竹七海作品の常連の彦坂夏見がちらりとはいえ脇役で姿を見せるのも嬉しい。やっぱり好きなんだ,この人。彦坂夏見の人脈はろくでもねえなあとは思うけど。
好きなのは「女探偵の夏休み」と「依頼人は死んだ」「鉄格子の女」「わたしの調査に手加減はない」といったところ。本作の準レギュラーである図書館司書の相場みのりは結構お気に入り。だから「女探偵の夏休み」が好きなのかも。叙述トリックは案外分かりやすかったかなとも思いますが。
以前読んだときにも思ったのだけど「濃紺の悪魔」と「都合のいい地獄」の繋がりにはやっぱり納得がいかない。葉村じゃないけれど物事に白黒つけたがる僕の悪癖なんだろうか。でも妙なホラーテイストはちょっとな,と思うわけです。それだけが残念だった。