名探偵は密航中 (光文社文庫)

名探偵は密航中 (光文社文庫)

 再読。ここんとこ再読ばっかり。積読減らせよ。>自分
 面白いには面白いんだが,印象の薄い作品ばかり。若竹七海お得意の連作短編集という体裁は取っていますが,登場人物が共通する以外はさほどに繋がりは見られない。一応,プロローグとエピローグで全編を通じて流れる謎(というほどのことでもないが)を作り上げているが,これも如何せん弱いことこの上なし。若竹七海の連作短編集と言うことで期待しすぎると裏切られることにもなりかねない。
 横濱から倫敦へ向かう豪華客船箱根丸船上で起こる幾つもの奇妙な事件。奇矯な人々が織りなす奇妙な物語は作者ならではといった感じ。個人的には「猫は航海中」とホラーテイストの「幽霊船出現」が好きかな。
 ま,悪くはないです。良過ぎもしないけれど。若竹七海作品と言うことで考えれば,いささか不満が残るかなといった案配。