異界への扉 (扶桑社ミステリー)

異界への扉 (扶桑社ミステリー)

 ようやく読了。
 面白いー。けど,もやもやと残る消化不良感は何? というのも,まるで物語が完結していないから。大河小説の導入部的な印象を受けます。というか,実際にその通りなんだろうけど。
 第一作目『マンハッタンの戦慄』ではホラーアクションを存分に楽しめたんだけど,前作『神と悪魔の遺産』ではそのホラー要素が完全になくなってしまっていて,二作目にしてシリーズの方向性を転換したのかなと思っていました。で,今回の『異界への扉』を読んだわけですが,これいい意味で裏切られたというかなんというか。それほど密接な関係になかった『マンハッタンの戦慄』と『神と悪魔の遺産』を集約するかたちで改めて〈始末屋ジャック〉シリーズの序章的な立ち位置にあると感じます。序盤は『マンハッタンの戦慄』の直系の物語かと思っていたんですけどね。『神と悪魔の遺産』で登場したあのオーバーテクノロジーがあんな形で絡んでくるとは思わなかった。や,楽しい!
 で,後書きを読んでて慄然としたのが,この作品は《アドヴァーサリ・サイクル》シリーズの『リボーン』の後日談になっているらしいということ。読んでないよorz というか,『ナイトワールド』に到るまでのこのシリーズって『マンハッタンの戦慄』と『ザ・キープ』しか読んでいないんですが。残りは今でも手に入れることが出来るのだろうか。あんまり店頭じゃ見ないんだけど……。まあ,探すしかないか。
 というわけで,読んでいない人は〈始末屋ジャック〉シリーズ超おすすめです。エンターテインメントに徹しきった作品で肩肘張らずに読めるはず。“旧支配者”とかに反応する人も要チェックのこと。
 ……真面目な感想は本家の方で書きます(汗)。