インディゴの夜 (ミステリ・フロンティア)

インディゴの夜 (ミステリ・フロンティア)

 期待以上に面白かった。満足。
 渋谷の片隅にある人気ホストクラブ〈club indigo〉を舞台とする連作短編集。ホストの世界ってのは勿論,オレにとっては別世界なわけですが,何だか楽しそう。こんなにみんな仲がよかったりするんでしょうか。憂夜さんと〈エルドラド〉の空也さんが格好いい。どんな世界でもトップに立つ人には風格ってものが出るんでしょうか。にしても〈club indigo〉のホストってTKO(タケオ)とかジョン太とか犬マンとかろくな源氏名じゃねえんだが,こんなものなんでしょうか? 識者の情報を求めます*1
 スタイリッシュでウィットあふれる*2って表現があてはまるかどうかは知らないけど,作品世界にはよくあった軽快な文体で読みやすくって好印象。「原色の娘」なんてなかなかに泣かせます。舞台が舞台だけに売春や恐喝,誘拐,麻薬なんて吐き気のするような犯罪がメインになるのは仕方がないけど,それでいて後味が悪いわけでは決してない。痛快で瀟洒な印象もあって,個人的にかなり好みの作品でした。
 とりあえず続編『龍の文身』が近日発売ということで読んでみるつもり。石田衣良の《池袋ウェストゲートパーク》シリーズとよく似た雰囲気との評もあるので,機会があればこちらも読もうかなと思います。
 どうでもいいけど,TVドラマ化したら受けるんじゃないかな。

*1:このサイト見てるなかにゃいないような気もするが

*2:表紙そでの説明より