■

QED 神器封殺 (講談社ノベルス)

　いつの間にか《QED》も11作目なんですね。ちょっとびっくり。
　今回のテーマは三種の神器について。相変わらず分かったような分からないような祟の説明が続きますが，導き出される結論は美しいのひと言。無論，日本古史にさして造詣の深くない僕にはこの結論が正しいとも間違っているとも言い切る術はありません。でも，美しければいいじゃない，そう思わせるものがあります。ここのとこ不満が多かった《QED》の中でも『百人一首の呪』や『六歌仙の暗号』クラスに好きな作品となりそうです。ミステリとしちゃ不満だけどね。少なくとも僕はこのシリーズは歴史推論ものと位置づけているので問題はなし。作者にとっては不本意かもしれませんけどね。
　どうでもいいけど11作目にいたって新たにレギュラー化しそうな人物がひとり登場。この手の鼻持ちならない天才系のキャラは好きなのでどんどん活躍させて欲しいところです。祟と奈々との三角関係に発展するのはちょいと御免ではあるけれども（苦笑）。