2006-01-09 ■ 本 感想 狐闇 (講談社文庫)作者: 北森鴻出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/05/13メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 5回この商品を含むブログ (54件) を見る 孤高の旗師《冬狐堂》こと宇佐見陶子を主人公に,さらに『凶笑面』『触身仏』の蓮丈那智,『孔雀狂想曲』の《雅蘭堂》越名集治を脇役に据えた北森鴻作品の集大成とでもいうべき作品。ついでにいえば『凶笑面』に収録の「双死神」と同じ事件を別の側面から見た作品ということも出来ます。 いやもう満足満足。もともと日本史に興味のある身としては,近代日本成立の陰に隠されたもう一つの真実ってうたい文句には弱いのですが,期待を裏切らない作品でした。そしてまだ物語は終わっておらず,これから先がありそうなのもまた嬉しいところ。素直に待ちたいです。