文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

 読了。何度目だろう?
 京極夏彦の作品の中では『魍魎の匣』と並んで好きな作品。あまりにも大量の人が死ぬる凄惨な物語ではあるけれども,読了感は奇妙にも悪くない。一見無関係な複数の事象が,中禅寺の憑き物落としによって一点に収束するカタルシスを味わえるからだろう。文庫版で1400頁に及ばんとする長大な物語ではあるが,毎回一気に読み切ってしまう。それだけ作品世界に没頭出来る魅力を備えている。登場人物も主役級の4人を初め,脇役陣もほぼ勢揃いといった印象。鳥口と敦子ちゃんだけが出番は少なかったかな。そういえば殆ど関口も登場しなかった。
 まともな感想は後日,本家サイトで。
 この本を読むと陰陽座の「桜花の理」が聞きたくなる。最近,京極作品をモチーフにした曲を作ってくれないな。「眩暈坂」といい「桜花の理」といい,好きな曲なんだけど。