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不死鳥(フェニックス)のタマゴ (3) (あすかコミックスDX)
- 作者: 紫堂恭子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/08/26
- メディア: コミック
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完結。ちょっと食い足りない気もするけど,この長さで適度なのかもしれない。いつもの紫堂恭子らしい心の和む,でもどこか切なく胸に刺さる箇所もある,素敵なファンタジーに仕上がっています。
クリスもキャロルもセインもヒューもみんないい人ばかり。特に『辺境警備』のカイルを思い起こさせるひねくれ者のヒューがお気に入り。この作品を通じての一番好きな場面はかつての内戦を語り合うクリスとヒューのもとにキャロルが訪れるところ。心の芯から温かくなれます。それからクリスの上官ヘリック隊長もいいですね。普段は無責任でいい加減な人間だけど,奥底には確かなものを持っている大人。こういうキャラを書かせたらやっぱり巧いなあ。死神が訪れた翌日のクリスの姿にはちょっと笑いました。が,自分も後三日の命と言われたら動転するよな。自分なら何をするだろう。
とりあえず巻末で紹介の秋のポトフはそのうちに作ろう。もうちょっと涼しくなってからね。保温なべが欲しいなあ……。
以下ネタバレにつき
かつての内戦でクリスの生命を救ったのは,やっぱり人間であって欲しかった。それが不死鳥が見せた夢だったというのは少し拍子抜け。綺麗にまとまっているので,悪くはないんだけどね。