麿の酩酊事件簿〈花に舞〉 (講談社文庫)

麿の酩酊事件簿〈花に舞〉 (講談社文庫)

 読了。感想は続きから。辛辣です。
 つまらない。薄っぺらい。これに尽きる。もともとは漫画だったらしいのだが,それを差し引いたとしても,どうしようもない出来の作品。物語としてもあまりにもワンパターンで,先が見えすぎる展開に辟易。4つの短編が収録されているのだが,どれも似たような,というか同じ構造の作品ばかりで,例えば月刊誌の連載として読むのならともかく,このように短編集として読むのにはあまりにも辛い。強いてあげるならば「待宵草は揺れて」「プール・バーで貴女と」の2編は良かったけども,それはあくまでも他の2編と比すればの話。どこかで読んだことのあるような話ばかりで意外性がまるでなかった。
 キャラの造型も非常に没個性的。出てくる女性は美人ばかりだし。何より主人公にまるで魅力がない。第3章から登場の男装の麗人が結局結婚相手になるんでしょうね。様式美は決して否定されるものではないけれど,ここまで安直な設定・展開だと読むのも少々苦痛に感じてしまいます。
 向き不向きはあるのだろうけど,個人的には非常に苦手な作品。高田崇史は《QED》シリーズが大好きなんだけど,他の作品はちょっと読むのがキツいなあ。一応,シリーズ読み始めたので次も読もうかなとは思いますが,これ以下の出来なら読む気はゼロです。