インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)

インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)

 ホストクラブ〈club indigo〉を舞台とする連作ミステリ短編集の第2弾。前作が面白かったので,ちょっと期待していました。結論としては期待ほどではなかったけれど,それなりに面白かったです。ミステリとしては案外底の浅さも感じてしまうんだけど,個性的なclub indigoの面々が魅力的で良し。相変わらず憂夜さんが完璧な人間ぶりを発揮しています。前作では憂夜さんに匹敵していた空也さんは今回それほど魅力的には思えなかったな。憂夜さんの謎めいていてとらえどころのない素性のほうにより惹かれてしまいます。
 4編ともそれなりにまとまってはいるんだけど,際だっていい作品というのはなし。甲乙つけがたいという意味ではなくって,むしろ丙丁つけがたいと言ってしまうのはちょっと言い過ぎか。ミステリとしての面白さを期待しすぎると裏切られるかもしれません。あまり期待をせずに読む方が逆にいいのかも。すごく失礼なことを書いているような気もしますが。
 とは言え,このシリーズの雰囲気は大好き。出来ればこの調子で続けていって欲しいものです。
 やっぱりTVドラマにすれば映える作品だと思うんだけどな。2時間ドラマじゃなくって,1クールくらいの連ドラというのが一番いいんじゃないですかね。