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パロへの長い道―グイン・サーガ〈108〉 (ハヤカワ文庫JA)

　グイン中原漫遊記クム編突入。以上。
　……というのもアレか。いやそれ以上の内容では決してないんですが。一応は『カローンの蜘蛛』とか『カナンの試練』とかのいわゆるトワイライト・サーガと繋がりそうなエピソードもあったりなんかしたりもしているんですが，今この局面で挿入すべき逸話でもなかろうな，と。それこそ枝サーガというのなら，外伝で濃密に書き上げるほうがよかったんじゃないかしら。今の栗本薫にとてもそれが出来るとは思わないけれど。
　以前のぐだぐだの時期と比するならば，遙かに今の方が面白いのは事実。だが，それはあくまで比較級の評価でしかない。せめてもう少し展開を早めては貰えないものだろうか。グインが記憶をなくしてから既に10巻が経過。その間，殆ど事態に変化が見受けられないように思うのだが。
　スーティは今のところいいね。この作品のおいて唯一安心して見ていられる子どもに思える。このまま健やかに育って欲しいものだが，無理なんだろうなあ……。