武装錬金 (9) (ジャンプ・コミックス)

武装錬金 (9) (ジャンプ・コミックス)

 第74話から最終話,そして読み切り『武装錬金ファイナル』までを収録。和月本人によるライナーノートを見ていると,やはり連載で続きが読みたかったなとか,千歳とブラボーと火渡の過去話って何だよとか,いろいろと思うことはあるけれど,この段に到って繰り言を並べるのも意味がないし,馬鹿らしい。言葉に出来るのはただひとつ。この作品に出逢えてよかったな,と。
 最終話「BOY MEETS BATLLE GIRL」から読み切り「武装錬金ファイナル」の流れは熱くて,そして哀しい。残すは12月に発売予定の赤丸ジャンプ掲載の「武装錬金ピリオド」のみ。和月ならきっと満足のいく結末を見せてくれるだろう。そう信じている。そして最後に一つ感謝を。和月の望みどおりに読み切りを2回に増やしてくれた編集部さま。本当にありがとうございました。
(追記)
 剛太の結末を物語るのはもちろんだが,ヴィクトリアの物語にもきちんと結末を見せて欲しい。錬金術によって運命を変えられた薄幸の少女にこそ,温かな終焉が必要なはずだ。

もしママの方がパパに会えたら その時は伝えて
私は独りでも生きていけるって…

 この台詞を語るヴィクトリアの表情は余りにも哀しく,淋しく,そして美しい。だけどやはりヴィクトリアの心からの笑顔を見たい。そして,それはヴィクターこそが鍵を握っているのだろうな,きっと。